「うちの子、歯並びがガタガタかも…」「まだ小さいけど、矯正って必要なのかな?」
そんな不安を抱える保護者の方も多いのではないでしょうか。
実は、子どもの歯並びは歯そのものよりも、呼吸の仕方・舌の位置・顎の発達など、全身の成長と密接に関係していることがわかってきています。
本記事では、従来の「見た目だけを整える矯正」ではなく、なぜ歯並びが乱れたのかという根本原因にアプローチする新しい予防矯正「ORT矯正」の考え方をもとに、今日から始められる見直しポイントをわかりやすく解説します。
お子さまの歯並びを良くするために、まずは正しい知識を知ることから始めましょう。
子どもの歯並びをよくするには「根本原因」に目を向ける
子どもの歯並びを整えると聞くと、多くの方が「矯正装置で歯を動かす治療」を思い浮かべるかもしれません。もちろん矯正によって見た目を整えることも大切ですが、それだけでは本当の意味での改善にはなりません。
歯並びが乱れるのには、必ず何らかの原因や背景があります。その多くは「歯そのもの」ではなく、歯を支える顎の成長や、日々の口の使い方といった体の機能に深く関係しています。
歯並びを一時的に整えても、原因がそのままであれば時間がたつとまた元に戻ってしまうことも。だからこそ、見た目だけを整える審美的な「対処療法」ではなく、なぜ歯並びが乱れたのかという根本原因に目を向けることがとても重要です。
歯だけの問題に見えても「呼吸」や「筋肉の使い方」が影響
一見すると、歯並びの問題は「歯の生え方」や「歯の大きさ」によるものだと思われがちです。しかし実際には、口の中の筋肉の動き方や、普段の呼吸の仕方など、見えにくい部分が大きく関係しています。
たとえば、こんな習慣はありませんか?
- いつも口が開いている(お口ポカン)
- 鼻ではなく、口で呼吸をしている(口呼吸)
- 舌が下の方にある、またはうまく使えていない
- 飲み込むときに唇やあごに変な力が入る
これらのクセがあると、舌や唇、頬の筋肉のバランスが崩れてしまいます。その結果、顎の骨が正しく成長できなくなり、歯が並ぶためのスペースが不足して、歯並びが乱れるのです。
つまり、歯並びは「筋肉と呼吸のバランス」の影響を大きく受けているということです。
子どもの歯並びが悪くなる原因とは?
前の章では、歯並びが乱れる背景には「呼吸のしかた」や「筋肉の使い方」が深く関係しているとお伝えしました。ではそもそも、なぜ歯がきれいに並ばなくなってしまうのか?
この章では、歯並びの乱れの本当の原因について掘り下げていきます。
前の章では、歯並びが乱れる背景には「呼吸のしかた」や「筋肉の使い方」が深く関係しているとお伝えしました。ではそもそも、なぜ歯がきれいに並ばなくなってしまうのか?
この章では、歯並びの乱れの本当の原因について掘り下げていきます。
歯の遺伝よりも大きな影響を持つのが「顎の発達不足」
「成長期にたくさん食べて、たくさん運動したら、歯も大きく育って歯並びがよくなるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、実は歯の大きさや形は、ほとんどが遺伝で決まっているため、成長期にどれだけ食べても、歯そのものが大きくなったり、形が変わるわけではありません。
ではなぜ、歯がきれいに並ばないのか?そこで注目したいのが、歯が生えてくる土台となる「顎の成長」です。
顎の大きさは、歯と違って「環境の影響を大きく受ける」と言われています。よく噛んで食べる、口や舌をしっかり使うなど、日々の生活習慣によって顎の骨は大きく育つのです。
つまり、歯がきれいに並ぶためには、歯の大きさを受け止められるだけの顎の成長が必要。歯並びが乱れる背景には、歯ではなく顎の成長不足があると考えられるのです。
「歯が並ぶスペース」が足りなくなることで歯並びが悪くなる
歯は、顎の骨の中に並んで生えてくるものです。顎がしっかり発達していれば、歯が生えるためのスペースが確保され、自然と整った歯並びになります。
しかし、顎が小さいままだと歯の生える場所が足りなくなり、歯が重なり合ったり、押し出されたりして、ガタガタの歯並びになってしまいます。
つまり、歯並びが悪いのは「歯が悪い」わけではなく「並ぶ場所が足りない=顎が育っていない」ことが一つの原因なのです。
このように考えると、子どもの歯並びをよくするためには、歯を動かすだけではなく「顎をしっかり育てる」ことが必要不可欠だとわかります。
顎の発達不足(口腔機能発達不全症)の原因とは?
子どもの歯並びが悪くなる大きな原因の一つが「顎の成長不足」だとお伝えしました。
では、なぜ子どもの顎はうまく育たないことがあるのでしょうか?
実はその背景には「口の使い方」や「呼吸のクセ」といった、日々の何気ない習慣が深く関係しています。
専門的には「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」と呼ばれ、口や舌、顔まわりの筋肉が正しく働かないことで、顎の発育に悪影響が出てしまう状態です。
ここでは、特に多くの子どもに見られる3つのよくある原因について詳しく見ていきましょう。
顎が育たない理由①:舌の位置が低い
本来、舌は「上あごの天井」に軽く触れているのが自然な位置です。しかし多くの子どもが、舌が下の方に落ちている「低位舌(ていいぜつ)」の状態になっていると言われています。
舌が下がっていると、飲み込むときや話すときに正しい動きができず、舌の力で上あごを内側から押し広げる働きが弱くなります。その結果、上あごが横に広がらず、歯が並ぶスペースが足りなくなってしまうのです。
また、舌の位置が低いと、つい口呼吸になってしまったり、顔の筋肉のバランスも崩れやすくなります。
顎が育たない理由②:口がポカンと開いている
日中や寝ているときに「口がポカンと開いている」状態、よく見かけませんか?これは「お口ポカン」と呼ばれる状態で、実は子どもの約3~4割に見られると言われています。
口を開けたままでいると、口のまわりの筋肉が使われず、顔や顎の成長に必要な刺激が不足してしまいます。
また、常に口から呼吸をする「口呼吸」の原因にもなり、乾燥や虫歯、風邪のリスクも高まります。つまり、お口ポカンは見た目だけでなく、顎の成長や健康全体に悪影響を及ぼすクセなのです。
顎が育たない理由③:飲み込み方が間違っている
飲み物や食べ物を飲み込むとき、本来は舌が上あごを押し上げ、自然に喉へ送り込まれます。しかし、舌の使い方が未発達な子どもの中には、唇やあごに余計な力を入れてゴクンと飲み込むクセがついていることがあります。
このような「異常嚥下(いじょうえんげ)」が続くと、舌やあごに不自然な力がかかり、歯列を押し広げたり歪ませたりする原因になるのです。また、こうしたクセは無意識に行われるため、親が気づきにくいのも特徴です。
このように、舌の代わりに別の筋肉が無理に働くことで、本来育つべき顎まわりの筋肉がうまく使われなくなってしまうのです。 結果として、舌の筋力も弱くなり、顎の骨を内側から広げる力が足りなくなってしまいます。
歯並びが悪くなる根本原因!なぜ口呼吸になってしまうのか?
前の章で紹介してきたように、子どもの歯並びには「顎の成長」が深く関わっています。
そして顎の成長を止める「舌の位置が低い」「口が開きっぱなし」「飲み込みがうまくできない」といった症状は、口呼吸によって引き起こされていることが多いのです。
口呼吸が続くと、舌の位置が下がりやすくなったり、口がポカンと開いたままになったり、飲み込み方が不自然になるなど、さまざまな口の機能に悪影響が連鎖的に起こります。
これらの変化は、子どもの顎の正常な発育を妨げ、歯並びの乱れにつながってしまう重要な要因です。
ではなぜ、そもそも子どもが鼻ではなく「口で呼吸する」ようになってしまうのでしょうか?ここでは、口呼吸の根本原因となる2つの主な理由について解説します。
鼻が詰まっている(鼻閉・アレルギー性鼻炎・扁桃肥大)
子どもが口呼吸をしている理由として最も多いのが、「鼻が詰まっていて、鼻で呼吸ができない」状態です。たとえば以下のような症状があると、無意識のうちに口呼吸が習慣化してしまいます。
- アレルギー性鼻炎(ハウスダストや花粉による慢性的な鼻づまり)
- 鼻中隔のゆがみや粘膜の腫れ(鼻閉)
- 扁桃腺やアデノイドの肥大(のど奥がふさがれて息がしづらい)
これらの状態が続くと、本人も苦しさを避けるために常に口を開けて呼吸するクセがついてしまうのです。
そして口呼吸が日常になると、舌は下がり、唇まわりの筋肉は使われなくなり、結果として顎の成長が阻害され、歯並びの乱れへとつながっていきます。
タングタイ/リップタイ(舌小帯・上唇小帯の付着異常)
もうひとつの口呼吸や機能低下の原因が、舌や唇の「ひも」の異常です。これは「タングタイ」や「リップタイ」と呼ばれるもので、それぞれ以下のような状態を指します。
- タングタイ:舌の裏側にある“ひも”のような組織(舌小帯)が短すぎて、舌の動きが制限されてしまう状態
- リップタイ:上唇の内側のひも(上唇小帯)が長くて、唇の動きや閉じ方に影響する状態
このような状態だと、舌が上あごにしっかり当たらなかったり、飲み込みや発音が不自然になったりします。
その結果、舌が本来あるべき位置に保てず、舌が低い位置に下がってしまい、口呼吸の原因になってしまうのです。
歯並びが悪くなるのは「歯」だけの問題じゃない!原因の全体像を整理しよう
ここまでで見てきたように、子どもの歯並びが悪くなるのは、ただ「歯が大きい」「遺伝だから」という理由だけではありません。
むしろ、以下のような複数の要因が連鎖して起きているケースがほとんどです。
ここまで紹介してきた歯並びが悪くなる原因をまとめると、以下のような全体像が見えてきます。
【歯並びが悪くなるまでの流れ(例)】
- 鼻づまりや舌・唇の形の問題
→ 鼻でうまく呼吸できない/舌や唇が自由に動かせない
- 口呼吸が習慣化
→ 口がポカンと開く・舌が下がる・飲み込み方が乱れる
- 顎の成長が妨げられる
→ 歯が生えるためのスペースが足りなくなる
- 結果として歯並びが乱れる
「歯並びの乱れ」はあくまでも最終的に現れた結果にすぎません。その背景には「呼吸の方法」や「口の使い方」など、日々の生活習慣や身体の発達に関わるさまざまな問題が潜んでいます。
子どもの歯並びを根本から考える予防矯正の新常識「ORT矯正」とは?
ここまででお伝えしてきたように、歯並びの乱れは「歯」だけの問題ではなく「呼吸」や「舌の使い方」、「顎の成長」といった体の発達や機能と深く関わっています。
こうした背景をふまえて登場したのが「ORT矯正(オーラルルートセラピー)」という新しい矯正の考え方です。
ORT矯正とは、歯並びを見た目だけで整えるのではなく「なぜ歯並びが乱れたのか?」という根本原因を追求し、その原因から整えていく予防的なアプローチです。
むやみに歯を動かすのではなく、「成長の土台」である口の使い方・呼吸・筋肉・姿勢といった体の本来の働きを整えることで、歯並びだけでなく子どもの全身の発達にもよい影響を与えるのが特徴です。
「全身の健康」につながる「口の健康」を目指す考え方
ORT矯正では、「口の中だけを診る」のではなく、口を通じて全身の健康を支えるという広い視点を大切にしています。
たとえば
- 舌の位置が整えば、鼻呼吸がしやすくなり、風邪を引きにくくなる
- 正しい姿勢で噛めるようになれば、体幹が安定し、集中力も向上する
- 飲み込み方や口の使い方が整えば、発音や表情も豊かになる
つまり、ORT矯正は「歯をキレイに並べること」が最終目的ではありません。「正しい成長のルート=オーラルルート」を整えることで、健康でバランスの取れた体を育てる、という包括的なアプローチなのです。
こうした視点は、従来の“見た目だけ”の矯正では得られなかった、大きな価値を子どもたちにもたらします。
子どもの歯並びを良くするには喜多デンタルクリニックの予防歯科にお任せください!
ここまでご紹介してきたように、子どもの歯並びを整えるには「歯」そのものを見るだけでなく、呼吸・舌の使い方・姿勢・生活習慣といった“根本の原因”にしっかり向き合うことが大切です。
徳島県小松島市にある【喜多デンタルクリニック】では、こうした最新の知見をもとに、お子さまの歯並びを見た目ではなく発育と健康の一部として捉える予防矯正に取り組んでいます。
一人ひとりの環境に寄り添った生活習慣の見直し
歯並びは、普段のクセや食事の仕方、姿勢、口の使い方など、日常のちょっとした習慣の積み重ねによって大きく左右されます。
喜多デンタルクリニックでは、まず丁寧なカウンセリングを通じて、
- 「お子さまの生活リズム」
- 「食事中の様子」
- 「寝ているときの口の開き方」
などを詳しく確認し、一人ひとりに合った生活習慣の改善アドバイスを行っています。
日々の暮らしに寄り添った対応だからこそ、家庭でも続けられる・取り入れやすいサポートが可能です。
口内環境だけでない根本原因を考慮した予防治療
喜多デンタルクリニックが大切にしているのは、単に「歯を動かす」ことではなく、なぜこの子の歯並びが乱れたのかを深く掘り下げる姿勢です。
- 鼻づまりによる口呼吸
- 舌が正しい位置にないことによる顎の未発達
- 間違った飲み込み方や姿勢のクセ
など、歯並びに影響を与える全身的な要因を見逃さずにアプローチします。
従来の「見た目を整えるための矯正」とは異なり、根本原因を整えて“後戻りしにくい歯並び”を育てるのが予防矯正の考え方です。
お口の健康状態から健全な体づくりまでをサポート
口は、呼吸・食べる・話すといった機能の入り口であり、子どもの全身の成長と深くつながる器官です。喜多デンタルクリニックでは、ORT矯正の考え方をもとに、歯並びだけでなく、
- 正しい噛み方や姿勢
- 舌の動きや飲み込みの癖
- 呼吸の質や体幹のバランス
など、お子さまの成長全体を視野に入れたケアを行っています。
「歯並びを整えることが、身体全体の発育にもつながる」そんな考え方で、健やかな未来を一緒に育てるパートナーとして、保護者の方と二人三脚で取り組んでいます。
お子さまの未来のために今できることから始めましょう
歯並びの乱れは、ある日突然できるものではありません。日々の生活やクセが少しずつ積み重なって、将来の歯や顎の発育に影響を与えていきます。
でもその一方で、早い段階で気づいてあげることができれば、負担の少ない方法で予防することも十分可能です。
「いつから相談すればいいのかわからない」「矯正はまだ早いのでは…?」
そんなお悩みをお持ちの保護者の方も、まずは一度ご相談ください。
喜多デンタルクリニックでは、お子さまの成長に合わせた最適なサポートを、丁寧にご提案いたします。
未来の健やかな笑顔のために、今できることから一緒に始めていきましょう。