歯並びは「見た目」だけの問題と思われがちですが、実は全身の健康と深く関わっています。
歯並びが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、噛む・飲み込む・呼吸といった基本機能にも影響を及ぼし、姿勢や集中力、消化機能にまで負担がかかることがあります。
本記事では、歯並びと健康の関係をわかりやすく解説し、予防や改善のためにできることをご紹介します。
歯並びと健康の関係とは?
「歯並び」は見た目の印象を決める要素として注目されがちですが、実はそれ以上に大切なのが“健康への影響”です。
歯並びの良し悪しは、見た目だけでなく 噛む力・飲み込む力・呼吸のしやすさ といった基本的な口の機能に直結しています。そして、これらの口腔機能は全身の発育や健康維持に深く関わっています。
歯並びが整っていれば、食べ物をよく噛んで消化を助けたり、正しい呼吸や姿勢を保ったりしやすくなります。
逆に歯並びが乱れていると、歯みがきがしづらく虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、顎や体のバランス、集中力、さらには全身の健康にまで影響を及ぼすことがあるのです。
「お口の健康=全身の健康」につながる
歯並びは「見た目」だけの問題ではなく、全身の健康に直結する生活の基盤です。
つまり「お口の健康=全身の健康」。歯並びを整えることは、単に笑顔をきれいに見せるためだけでなく、体全体を健やかに保つためにも欠かせないことなのです。
続いての章では、歯並びの悪さが健康に与える影響について「子ども」「大人」それぞれで、具体的に見ていきましょう。
【子ども編】歯並びの悪さが健康に与える影響
子どもの歯並びの乱れは、単に「歯がガタガタしている」というだけの問題ではありません。
その背景には 口呼吸の習慣・舌の位置の異常・顎の成長不足 など、日々の生活習慣や口腔機能の発達が大きく関係しています。
これらの要因が絡み合うことで、歯並びだけでなく全身の健康にも影響が広がるのです。ここでは、特に注意したい4つのポイントをご紹介します。
虫歯や歯ぐきのトラブルが起こりやすい
歯が重なって生えていると、歯ブラシの毛先が届きにくくなり、汚れがたまりやすくなります。そこから虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。
さらに、口呼吸が続くと口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうため、より虫歯や歯周トラブルが進行しやすくなります。
正しい噛み方・飲み込み方が身につきにくい
歯並びが乱れていると噛み合わせが不安定になり、「よく噛まずに飲み込む」クセがつきやすくなります。
さらに、舌が正しい位置(上あご)にないまま飲み込む「異常嚥下」が続くと、顎に余計な力がかかり、歯列をさらに歪ませる原因になります。
これは単に食事の問題だけでなく、消化器への負担や顎の発達不足にもつながるのです。
口呼吸により姿勢・睡眠の質にも影響する
口呼吸は、歯並びが悪くなる大きな原因のひとつです。舌が下がって顎の発育を妨げたり、口周りの筋肉が育ちにくくなることで、顎が小さいまま成長が止まってしまうこともあります。
さらに、口呼吸の子どもは首が前に出たような猫背姿勢になりやすく、寝ているときもいびきや無呼吸を引き起こすリスクが高まります。
結果として、睡眠の質が落ち、全身の発育や免疫機能にも悪影響を与えることがあります。
発音や集中力にも影響がでる
舌や唇の動きが制限されることで、「さ行」や「た行」などの発音が不明瞭になりやすくなります。
これは歯並びそのものの問題だけでなく、舌の位置や筋肉の未発達といった機能的な問題が関係しています。
また、口呼吸で酸素の取り込みが不十分になると、脳に十分な酸素が届かず、集中力の低下や学習面への影響が出ることもあります。
【大人編】歯並びの悪さが健康に与える影響
大人の歯並びの乱れは、見た目の印象だけでなく「虫歯・歯周病のリスク」「顎や体への負担」「全身の健康」さらには「生活の質」にまで深く関わっています。
ここでは代表的な4つの影響について見ていきましょう。
歯磨きしづらく、虫歯・歯周病リスクが高まる
歯がガタガタに並んでいると、歯ブラシが隅々まで届きにくくなり、どうしても磨き残しが出やすくなります。その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
特に大人の場合は歯周病が進行しやすく、口臭や歯ぐきの腫れ、最悪の場合は歯を失ってしまうことにもつながります。
噛み合わせのバランスが崩れ、顎や全身に負担がかかる
歯並びが悪いと「本来奥歯にかかるべき力を前歯が受ける」「左右のバランスが崩れる」といった不自然な噛み方になりがちです。
本来、前歯は食べ物を噛み切る役割、奥歯は力強くすりつぶす役割を担っています。しかし噛み合わせが乱れるとそのバランスが壊れ、顎関節に負担が集中して痛みや音が出る「顎関節症」のリスクも高まります。
さらに、噛み合わせ不良は首や肩のコリ、頭痛など全身の不調へと広がることもあります。
消化や体のバランスにも悪影響を及ぼす
よく噛めないまま飲み込む習慣は、胃や腸に負担をかけ、消化不良を招きやすくなります。
また、歯並びの悪さが姿勢にも影響を与えるケースがあります。
また、噛み合わせの乱れは「顎の動き」や「頭の位置」にも影響を及ぼし、首や肩の筋肉に余計な緊張を生みます。これが長期的に続くと、肩こり・頭痛・腰痛といった全身の不調の原因になりやすいのです。
さらに、姿勢が崩れることで体のバランスが乱れ、歩き方や体幹の安定性にも影響を与えることがあります。
笑顔や表情に自信が持てず、生活の質が下がる
歯並びが気になって笑うときに口元を隠す方も少なくありません。これは単なる見た目の問題にとどまらず、心理的なストレスや対人関係の消極性につながります。
さらに、歯の見え方や歯ぐきのバランス(ガミースマイルなど)は顔全体の印象を左右するため、自信を持って笑えないことで「生活の質=QOL」にも影響してしまうのです。
歯並びの乱れを治療で改善する!見た目を整えるから機能を取り戻すへ
これまでの矯正治療は、主に「見た目をきれいにする」ことを目的とするケースが多くありました。
しかし、近年では「歯並びの乱れは単なる見た目だけでなく、呼吸や舌の使い方、顎の発育、姿勢など全身の健康にも影響する」ことがわかってきています。
そのため、治療のゴールも単なる見た目の改善にとどまらず、「噛む・話す・呼吸するといった口の基本的な機能を整え、健やかな体の成長や生活の質を取り戻す」ことが重要です。
ここでは、子どもと大人、それぞれに合わせた治療アプローチをご紹介します。
【子ども】ORT矯正(オーラルルートセラピー):呼吸・筋機能・姿勢まで見る予防矯正
子どもの歯並びの乱れは、歯そのものの問題よりも「口呼吸」「舌の位置」「顎の成長」などの習慣や体の使い方が大きく関わっています。
そこで注目されているのがORT矯正(オーラルルートセラピー)です。
ORT矯正とは、歯並びを見た目だけで整えるのではなく「なぜ歯並びが乱れたのか?」という根本原因を追求し、その原因から整えていく予防的なアプローチです。
従来のように無理やり歯を動かすのではなく、舌や口周りの筋肉を正しく使えるように導き、顎の健やかな成長をサポートします。
これにより、歯並びの乱れを未然に防ぎ、正しい呼吸や姿勢も育むことができます。子どもの将来の健康と笑顔を守るための「予防的な矯正」として注目されています。
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【大人】矯正(マウスピース/ワイヤー)と歯周・補綴の連携で“噛める口”に
大人になってから歯並びが気になる方も少なくありません。大人の矯正では、歯を整えるだけでなく「しっかり噛める口をつくること」が大きな目的になります。
例えば、歯並びが悪いと歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、噛み合わせのバランスが崩れることで、顎関節に負担がかかり、肩こりや頭痛につながることも。
そこで大人の矯正では、マウスピース矯正やワイヤー矯正に加え、歯周治療や被せ物(補綴)の調整などを組み合わせ、トータルで「噛む・話す・食べる」という口の機能を取り戻していきます。
医科連携の視点(鼻閉・睡眠・アレルギーなど根本要因への対応)
歯並びの乱れは、口の中だけの問題ではありません。鼻づまりやアレルギー、睡眠時無呼吸といった全身の健康状態とも深く関係しています。
鼻呼吸ができないと口呼吸が習慣化し、舌や顎の発育に悪影響を及ぼします。さらに睡眠の質が下がることで、日中の集中力や体の成長にも影響を与えることがあります。
そのため、歯科だけでなく、耳鼻咽喉科など他の医療機関と連携しながら、原因を総合的に解決していく視点が重要です。
こうした多角的なアプローチによって、見た目の改善だけでなく、根本から健康な体と笑顔を支える矯正治療が実現できます。
喜多デンタルクリニックの予防アプローチ
喜多デンタルクリニックでは、歯並びや虫歯といった「お口だけの問題」にとどまらず、呼吸・舌の使い方・姿勢など全身の健康に直結する要素までを視野に入れた予防歯科に取り組んでいます。
「お口の健康が全身の健康につながる」という理念のもと、見た目を整えるだけの矯正や治療ではなく、なぜトラブルが起こるのかという根本原因にアプローチするのが当院の特徴です。
「お口の健康=全身の健康」へ
喜多デンタルクリニックが大切にしているのは、「お口の健康が全身の健康につながる」という考え方です。
歯や歯並びは見た目の問題だけでなく、噛む・話す・呼吸するといった日常の基本機能、さらには姿勢や体調にも深く関わります。
そのため、当院では歯科医師だけでなく、歯科衛生士やスタッフがチームとなって、患者さま一人ひとりの状態に合わせたサポートを行っています。
治療だけでなく、予防や生活習慣のアドバイスを含めて「トータルで健康を支える」体制を整えています。
予防×矯正×歯周×補綴の院内連携
喜多デンタルクリニックでは、予防歯科・矯正・歯周病治療・補綴(被せ物や入れ歯など)といった分野を院内で連携させることで、幅広いお口の悩みに対応しています。
たとえば「歯並びを整えたい」という方には、単に矯正治療を行うのではなく、歯周病の有無や噛み合わせ、生活習慣なども確認しながら、長期的に安定する歯並びをめざします。
お子さまから大人までライフステージ別の伴走サポート(定期管理と再発予防)
お口の悩みは年齢によって大きく異なります。子どもの場合は顎の成長や口呼吸の改善、大人の場合は歯周病や噛み合わせのケア、高齢の方は入れ歯やインプラントの安定性などが大切になります。
喜多デンタルクリニックでは、ライフステージごとの最適なサポートを重視しています。
定期検診やクリーニングでの再発予防、生活習慣の見直しアドバイスなどを通して、「治して終わり」ではなく、将来にわたって健康を守る伴走型のサポートを行っています。
喜多デンタルクリニックにお気軽にご相談ください
喜多デンタルクリニック では、「お口の健康が全身の健康につながる」という理念のもと、歯並び・口呼吸・姿勢など、根本から整える予防的な矯正や治療に取り組んでいます。
一人ひとりのお子さまやご家族のライフステージに合わせて、無理のないサポートを丁寧にご提案いたします。
健やかな未来の笑顔を守るために、今できることから一緒に始めていきましょう。