「８歳の子どもは矯正ができるのか」

徳島県　徳島市　喜多デンタルクリニック

　歯科医師・院長　喜多大作

8歳～12歳の歯並びはどんな状態なのか？

8歳〜12歳のお子様の歯は混合歯列期（こんごうしれつき）と呼ばれます。この時期は乳歯と永久歯が入り混ざっている状態です。

もしこの時期にお子さまの歯並びの悪さが気になる場合は、よりよい治療結果を得るためにも、早めに矯正歯科に相談すると良いでしょう。

小学生のうちに歯並びを矯正するメリットは？

「矯正歯科治療は永久歯に生え変わらないと始められない。」と思っている親御様もいらっしゃいますが、実は歯がすべて永久歯に生え変わったあとに矯正治療をはじめると、場合によっては「歯を抜かなければならない」などリスク治療方法が限られてしまう場合が出てきます。

しかし8～12歳の、混合歯列期のうちに矯正治療をはじめた場合、多くのメリットがあります。

例えば下記のようなことがメリットとして考えられます。

１）永久歯を抜かずに矯正できる可能性がある

大人になってしまうと、永久歯が生えそろっており、顎の成長も終えている状態となります。歯のガタガタや出っ歯の程度が大きい場合、矯正で歯をきれいに並べるスペースを作るには、抜歯が必要になることがあります。

一方で、子どものうちに矯正を始めれば、まだ顎は成長途中ですから、顎の成長を促しながらスペースを作ることができるため、抜歯をせずに矯正ができる場合があります。

２）虫歯・歯周病になりにくい

歯並びが悪いと、ブラッシング歯磨きだけでは届かない部分が多くなり、歯の磨き残しが目立ちます。そのため、歯垢・プラークが溜まりやすくなることもあるでしょう。

結果として、永久歯の虫歯のリスクが高くなります。

子どものうちに矯正治療をして歯並びを整えることで、将来的にお口のトラブルが少なくなる可能性があります。

３）正しい咀嚼や発音が身に付く

歯並びは、咀嚼・発音と密接な関係があるため、歯並びを整えることで、正しい咀嚼が身についたり、発音に影響を与えたりすることもあります。

例えば、上と下の歯が嚙み合っていないと、前歯で食べ物を嚙み切ることが難しくなります。

さらに、前歯が噛み合っていない状態だと発音がしにくくなることもあります。

歯並びを整えることで、食事のしやすさや滑舌といった点も改善する可能性があります。

お子さまの歯科矯正の時期

お子様の矯正治療は、患者さまの年齢によって基本的に第1期治療・第2期治療の2段階に分かれます。

第1期治療は前歯がはえかわる頃（7～8歳）から行う、成長・発育を利用した早期治療です。お子さまの成長速度は歯並びの改善も手助けするため、スムーズに治療をすすめられる場合が多くなります。

第1期治療の目的は、骨格の成長を正しい状態に誘導し、悪い方向に成長するのを防ぐことです。

お子様の顎骨の形や歯並びの状態に応じて、様々な種類の装置を使い分けて治療を行います。

また、子どものうちに早めに改善しておきたいのは、歯並びを悪くする原因となる悪習癖です。

悪習癖の代表的なものとして、指しゃぶり、口呼吸、舌癖、吸唇・咬唇癖などがあります。これらは、成長過程で歯並びや顎骨の形態に悪影響をおよぼす可能性があるため、このような癖を改善することは、矯正治療を行う上で治療をスムーズに進め、治療後のきれいになった状態を維持するためにも重要なポイントです。

第2期治療は永久歯がはえそろってから行う、歯並び全体を整える仕上げの治療です。一般的には中学生以降の時期で、使用する装置は大人の矯正治療と同様です。

第1期治療を行い問題点をしっかり改善しておくことで、第2期治療の期間が短くなったり、簡単になったりします。

元々の不正の程度が軽い場合は、第1期治療だけで治療を終えることもあります。

永久歯の歯並びや噛み合わせをしっかりと作り上げることが主な目的です。永久歯に全部生え変わったこの段階で、歯を抜かないで並べられるか、歯を抜く必要があるかなどを検討します。

まとめ

8歳〜12歳のお子様の歯は乳歯と永久歯が入り混ざっている状態であり、この時期にお子さまの歯並びの悪さが気になる場合は、早めに矯正歯科に相談するのがおすすめです。

小学生のうちに矯正を始めることで、永久歯を抜かずに矯正できたり、虫歯・歯周病になりにくくなったり、悪習癖を取り除くことができたりと、多くのメリットが考えられます。

お子さまの歯並びにお悩みの方やお子さまの矯正についてお考えの方はぜひ当院へご相談にお越しくださいませ。